2021年1月に発令された緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業・不要不急の外出の自粛により、影響を受けた法人、フリーランス含む個人事業者を対象に「一時支援金」が支給されます。一時支援金の申請は、5月31日で終了となります。
- そもそも一時支援金って何?
- 自社は一時支援金をもらえるのかな?
- 一時支援金の申請方法が分かりづらい
今回は、一時支援金の支給対象・要件から必要書類・申請方法をお伝えしていきます。事業者様のスムーズな申請のお役に立てば幸いです。
1. 一時支援金とは…
国は、2021年1月に2回目となる緊急事態宣言を発令しました。当事務所のある岐阜県も発令されました。これに伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛により影響を受け、売上が減少してしまった会社やフリーランスの方もいるのではないでしょうか。この一時支援金では、そんな法人やフリーランスを含む個人事業者に一時金が支給される制度です。
2.一時支援金の対象となる要件
緊急事態宣言の再発令に伴い、
①飲食店時短営業または外出自粛等の影響を受けていること
→飲食店時短営業の影響とは、緊急事態宣言発令地域の飲食店と直接・間接の取引があることが要件となります。たとえば、農業者・漁業者、飲食料品・割り箸・おしぼりなど飲食業に提供される財・サービスの供給者を想定しています。
→外出・移動の自粛により、直接的な影響を受けている事業者も対象になります。たとえば、旅館・土産物屋・観光施設、タクシー事業者等の人流減少の影響を受けたことを想定しています。
飲食・旅行関連以外の業種として、その他事業者が挙げられています。たとえば、小売事業者(雑貨店、アパレルショップ等)、理容店、美容室、クリーニング店、マッサージ店、整骨院、整体院、エステティックサロン、結婚式場、運転代行業等も対象となります。
②本年1~3月のいずれかの月の売上高が、対前年比(または対前々年比)▲50%以上減少していること
①・②から、緊急事態宣言に伴う飲食店時短営業又は外出自粛等の影響を受けて売上が50%以上減少していなければ給付対象外です。例えば、宣言地域外において、地域コミュニティ内の顧客のみと取引を行う小売店や生活関連サービスは給付対象外です。
また、協力金の支給対象の飲食店は給付対象外です。昼間のみに営業を行っているなど、協力金の支給対象になっていない飲食店は、給付対象になり得ます。ちなみに、給付要件を満たす事業者であれば、業種や所在地を問わず給付対象となり得ますので、緊急事態宣言の対象外地域やその他の業種においても、給付対象となり得ます。
宣言地域:栃木県、埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県 ※緊急事態宣言が解除された地域も含む
|一時支援金特例
一時支援金では、通常の給付要件では受給が難しい事業者向けに、3月19日より特例(証拠書類等及び給付額の算定等に関する特例)を用いる申請の受付が開始されました。一時支援金特例には、9つの特例要件があり、適用となる対象者は、算定要件や必要書類が変わってきます。
3.一時支援金の支給額
中小法人等 上限60万円 個人事業者(フリーランス含む) 上限30万円
- 算出方法:2020年または2019年の対象期間の合計売上-2021年の対象月の売上×3
- 対象期間:2021年1月~3月
- 対象月:対象期間から任意に選択した月
たとえば、中小企業で、売上が2021年1月50万円、2月100万円、前年の2020年1月100万円、2月100万円、3月100万円だったとします。
この場合、(前年の対象期間の合計売上)300万円-(2021年の対象月の売上)50×3=支給額50万円 となります。
4.一時支援金を受け取るまでの流れ
事前確認から申請までの手順をご説明します。
①アカウントの申請・登録(申請ID発番)
⇒事前確認に必要な書類の準備
②身近な登録確認機関を一時支援金事務局のWEBサイトから検索
⇒登録確認機関に事前確認の依頼・事前予約(電話又はメール)
③事前確認の実施
⇒TV会議/対面/電話を通じた、書類の有無の確認や質疑応答による形式的な確認
当事務所での「事前確認」のご予約・お問い合わせはこちらから。
④事前確認完了後、必要事項の入力を行い、事務局に申請
事務局のWEBサイトから申請してください(事前確認を受け終えていない場合には、申請できません)。
5.申請に必要な書類
①履歴事項全部証明書(法人)または本人確認書類(個人)
なお、身体障害者手帳も本人確認書類として認められます。
②確定申告書類の控え
収受日付印の付いた2019年および2020年の確定申告書類が必要です。
e-Taxを通じて申告を行っている場合は、受付日時や受信通知が載っているものを提出して下さい。ただし、収受日付印(税務署においてe-Taxにより申告した場合は、受付日時の印字)又は「受信通知(メール詳細)」のいずれも存在しない場合には、提出する確定申告書類の年度の「納税証明書(その2所得金額用)」(事業所得金額の記載のあるもの)を併せて提出することが必要です。
また、「収受日付印等」および「納税証明書(その2所得金額用)」のいずれも存在しない場合には、提出する確定申告書類の年度の「課税証明書」又は「非課税証明書」を併せて提出することが必要です。
③帳簿書類(売上台帳、請求書、領収書など)
2019年1月から2021年対象月までの各月の帳簿書類のうち、事前確認では全て、申請時は、2021年対象月の売上台帳のみ必要となります。
④2019年1月以降の事業の取引を記録している通帳
事前確認では、事業の取引がわかる全てのページ、申請時は、通帳のオモテ面と通帳を開いた1・2ページが必要となります。
⑤宣誓・同意書
ホームページからダウンロードし、代表者または個人事業者等本人が自署します。なお、視覚や手指等に障害があり、宣誓・同意書等の自署の署名ができない場合、代筆による例外措置もあります。
⑥取引先情報一覧
2019年~2021年の各年1~3月における顧客の情報がわかるもの。これもホームページからダウンロードできます。
申請書類とは別に、申請には必要ないが保存しておくべき書類があります。飲食店時短営業・外出自粛等の影響を示す書類として、最終的な取引先が、宣言地域内で時短営業の要請を受けた飲食店または宣言地域の消費者であることを示す書類を保存しておきます。たとえば、商品・サービスの一覧表、店舗写真等です。
6.まとめ
一時支援金の概要をお伝えしてきました。緊急事態宣言の再発令により影響を受けた法人やフリーランスを含む個人事業者の方は、登録確認機関による事前確認を無事に済ませ、スムーズな申請により、無事に一時支援金を受けられることを心より願っております。
当事務所は、登録確認機関として、事前確認の対応をはじめ、一時支援金に関するご相談もお承りしております。お気軽にお問い合わせください。お問い合わせは、こちらから。