「ITツールを導入したいけど、うちの会社(個人事業)には、どんなITツールが適しているのかな…」ITツールやIT導入補助金のことで悩んでいませんか。今回は、ポストコロナの2021年(令和3年)ITツールを活用し、電子化・DX化に取り組みたいとお考えの方へ、「IT導入補助金」の過去の事例を基に、ITツールの活用事例をわかりやすく解説します。
- 課題はあるけど、どのような手を打てばよいのかイメージができない
- IT導入補助金は具体的にどんなことに使えるのか知りたい
- うちの会社(個人事業)の業種でもITツールを活用できるの?
自社に適したITツールを導入するために、過去の活用事例から2021年(令和3年)版の考え方を整理していきましょう!
目次
1.【業種別】IT導入補助金の活用事例からイメージをつかむ
自社に悩みや課題があるけど、必要なITツール機能がわからないという方もいるのではないでしょうか。そんな方へ過去のIT導入補助金の活用事例を基に説明していきます。自社に必要なITツールの機能を見つける参考としてください。
これから、業種別として「飲食業」、「宿泊業」、「小売業」、「卸売業」についてご紹介していきます。
※IT導入のイメージをつかむことを目的とした過去の事例ですので、IT導入補助金の2021年度プロセス構成とは異なる場合があります。2021年IT導入補助金申請については、現在の技術基準と照らしご確認をお願いします。また、本掲載内容は、IT導入支援事業者の登録ツール・交付申請の要件を担保するものではありませんのでご注意ください。
2.飲食業でのIT導入補助金活用事例
これまでは、人気メニューや顧客動向を把握するための顧客管理ツールや、売上や給与計算等の日々時間がかかる会計業務の効率化を図るITツールが多く導入されています。
|悩み
営業時間中はスタッフ全員が接客や調理の仕事に集中しています。そのため売上データの途中集計ができず、すべて閉店後にチェックすることになってしまい、レジ締めの作業が大変です。
|おすすめITツールの機能
- 会計管理
- POSレジ会計
POSレジと会計システム間のデータを連携できるツールを導入。
|導入効果
レジと会計、それぞれ別のシステムで管理していると、閉店後の売上集計に時間がかかってしまいます。POSレジに打ち込まれた売上データと会計システムを連携させられるITツールを導入することで、閉店後の集計の際に行っていた仕訳の入力作業を自動化。締めの作業に必要な時間が大幅に短縮することが期待されます。また自動的に複雑な作業が行われることで、経験の浅いスタッフでもスムーズに集計をまとめることができるようになります。
また、クレジットカードや電子マネーなど、現金以外での売上に対する経理処理も自動化によって簡単になり、レジ締めの作業全般におけるミスの減少も期待される効果のひとつです。
|結果
- 時間短縮
3.宿泊業でのIT導入補助金活用事例
これまでは、複数Webサイトへの宿泊プラン掲載にかかる手間や、日々変わる予約情報への対応のため、予約や顧客管理に対応するITツールが多く導入されています。
|悩み
複数の宿泊予約サイトに情報を提供しています。そのため宿泊プランなどの更新は予約サイトごとに行わなければならず時間がかかります。サイトごとに更新の手順も違うので、毎回戸惑ってしまいます。
|おすすめITツールの機能
- マーケティング
- 自動化・効率化ツール
複数の宿泊予約サイトに掲載する宿泊プランを一元管理。ツールを通して各サイトの情報登録や更新を一括して行う。
|導入効果
ひとりで複数の業務を兼務することが多い宿泊施設。予約サイトの情報更新専属のスタッフを配置できない場合も多いでしょう。また特にITに詳しいわけではないスタッフが担当しているため、余計に時間がかかるという声もあります。 予約サイトの情報更新の作業を軽減できるよう、登録している複数の予約サイトのプランをシステムで一元管理しました。
導入したシステムの画面から各予約サイトを横断的に更新できる環境を整えれば、いくつものサイトを行き来することなく、スムーズに数多くの予約サイトの情報を管理できます。加えて予約サイトごとに異なる情報登録方法を覚える必要もなく、導入したシステムの使い方だけを理解していればいいので、担当者の負担も軽減。情報更新にかかる時間も短くなります。
|結果
- 時間短縮
4.小売業でのIT導入補助金活用事例
これまでは、顧客とのやり取りで発生する受発注処理や、それに伴う複数帳簿への記載・転記の時間短縮のため、会計業務の効率化に対応するITツールが多く導入されています。
|悩み
SNSなどで発信される、ユーザーからの自社商品に対する反応を収集し、意見を今後の商品企画に活用したいと考えています。
|おすすめITツールの機能
- マーケティング
- MD支援
SNSの投稿など、ユーザーが作成したコンテンツをマーケティングに利用できるツールを導入。
|導入効果
UGC(ユーザーがインターネット上に投稿したコンテンツ)をマーケティングとして利用することで、商品に対するリアルな声を集める方法があります。SNSのハッシュタグ機能を使い、目的に合った反応を収集。集めた情報を自社の特集サイトへ自動的に掲載することで、話題性を高めるという方法です。
収集した投稿の中から、よい印象を与えるコメントや写真が美しいものなどを選んで特集サイトへと掲載できるため、商品や会社のイメージ向上にも役立ちます。一般のユーザーが発信する感想は、サイトの閲覧者にとって信頼度も高いため、潜在的な顧客の購買意欲促進へ繋がり、売上アップにも貢献するでしょう。
また、一般ユーザーからの生の声を集めることは、事業者側が想定していなかったような商品の活用方法や感想に触れる機会にもなります。斬新な意見は今後の商品開発などのマーケティング情報としても活用できそうです。
|結果
- 売上アップ
- 顧客満足
5.卸売業でのIT導入補助金活用事例
これまでは、取引先とのやり取りで発生する受発注処理や、それに伴う複数帳簿への記載・転記の時間短縮のため、会計業務の効率化に対応するITツールが多く導入されています。
|悩み
取引先からの受注は電話やFAXで行っています。たくさんの取引先があるので、毎日電話を受けるだけでもかなりの時間が取られてしまって、他の業務が滞りがちです。
|おすすめITツールの機能
- 顧客管理
- 発注・仕入・買掛・支払管理
- ホームページ(ECサイト)制作
受発注用専用サイトを制作。取引先がパソコンやスマートフォン、タブレット端末から発注できる環境を整備。
|導入効果
取引先として契約しているお客さまのみが利用できる、商品の受発注専用のサイトを制作することで、お客さまは電話をかけずにパソコンなどからいつでも発注が可能になります。また顧客情報もお客さま自身が入力する環境になるのでミスも減少。顧客管理や販売履歴の管理もスムーズになるでしょう。
またお客さま側も受発注用に特別な端末を用意することなく、通常利用しているインターネット環境から専用サイトへアクセスできるので、ストレスなく新しい環境へと移行してもらえることが期待されます。
|結果
- 時間短縮
- 顧客満足
6.まとめ
IT導入補助金の過去の活用事例として、飲食業、宿泊業、小売業、卸売業についてご紹介してきました。
共通する悩みもありますが、業種ならではの悩みも多くあります。IT導入補助金をはじめとした各補助金は、悩みのある会社や個人事業者などが、電子化やDX化に取り組むチャンスです。
補助金申請を考えている方、ITツールの導入をお考えの方やITベンダーの方、また他士業の方へ、申請や流れが分かりづらい場合には一緒にサポートさせていただきますのでお気軽にお問い合わせください。